SEMは、

SS(検索型連動広告)
CT(コンテンツネットワーク広告)
RM(リマーケティング広告)

の3つを主流に、いろんな企業が出稿しています。(サーチターゲティングとかDSPはここでは割愛)

代理店など通してる企業でも、CPAか、KPIで広告からの収益性を見ています。

しかし、適切なCPAを設定して広告を運用している企業はとても少ないです。
いや、ほぼないんじゃないかな。

自分の会社なのに、代理店任せになってたり、担当者も会社の損益分岐点や
原価なんてそうそう把握しているものじゃないから、たいてい間違ってる。

一番最悪なのが、SS、CT、RMのCPAを全部一緒の金額に設定してしまってるところ。

広告メニュー別の配信ロジックを理解することからCPAの設定が始まる

主要3メニューをざっくりまとめてみます。

SS・・・キーワードを検索しているユーザーに配信
CT・・・キーワードに関連したサイトに配信
RM・・・一度自社サイトに訪問経験のあるユーザーに配信

まずSSについてですが、これはあるニーズからキーワードを検索し、
ユーザー自らが問題解決のために、行動している状態。

つまり、購買意欲が高いユーザーが集客できる可能性が高いと言えます。

CTは、広告主側が設定したキーワードに関連したサイトの広告枠に広告が掲載されます。

幅広いユーザーにアプローチでき、表示回数もかなり稼げる。しかし、クリック率も低いし、購買意欲も低い。

RMは、一度サイトに訪問した履歴を持つユーザー。

つまり、あなたの商品について認知が多少なりともあります。

もしかしたら購入経験のあるユーザー、リピーターかもしれません。
当然ながら購買意欲は高い。

CPAは広告メニューによって変えて当然

さて、この場合、CPAを全メニュー同額にした場合どうなるでしょうか?

あなたが今化粧品を売っている会社として考えてみましょう。
商品価格3,000円として、CPAを1,000円とします。

Q、それぞれの成果が下記の場合、あなたは次月の予算配分をメニュー別にどう設定するでしょうか。

全体平均CPA:1,250円
SS・・・コスト300,000円、CPA1,100円
CT・・・コスト300,000円、CPA1,500円
RM・・・コスト400,000円、CPA900円

CPA1000円に対して、250円オーバーしてます。

この場合、予算を動かしてどのように改善を図るか?

まず、CTとSSのコストが同額というというところに注目します。

SSとCTを比べた場合、SSのほうが購買意欲が高いユーザーを集客できるので、
CTの予算を減額して、SS、RMに配分するのが妥当。

「◎」次月の予算管理
SS・・・コスト350,000円
CT・・・コスト200,000円
RM・・・コスト450,000円

一番最悪なのが、SSもCTも同額減額させ、RMに予算を移動させること。

「×」次月の予算管理
SS・・・コスト200,000円
CT・・・コスト200,000円
RM・・・コスト600,000円

確かに、成果のよいRMに予算を配分するのは正しい配分と思いがちです。

しかし、SSのコストを動かすことで、同時に、検索から見込み客を
獲得できたであろう広告露出を削ってしまうことになります。

この予算配分で問題を感じない理由は、「メニューごとの配信ロジック」
を理解していないために起こります。

すなわち、見込み客となるユーザーの「購買意欲に応じた的確な広告戦略」
が行えていないということと同義語。

「たった10万円の予算で大きく変わるのか?」

と思うかもしれないが、年間にしたら120万円です。

120万円の利益を上げるには、5%の利益率として、24,000,000円もの
売上を上げないと捻出できない金額になります。

そう考えれば、決して無駄にはできない貴重の資源であることは間違いありません。

これらを踏まえた上で、来月の広告予算を決定する際には、メニュー別の広告配信ロジックを
十分理解した上で、予算決定を行ってください。