信用取引の場合、週間ベースで公表される「信用取引残高(信用残)」や、営業日ベースで公表される「貸借取引残高(貸借残)」などで、建玉残高の増減をチェックすることが大事になってきます。

そして、建玉残高を使った「回転日数」という指標が相場の動きや流れを分析する上で1つの指標としてみることができます。

この回転日数を知ると、トレードにどんなメリットがあるかというと、銘柄の信用建玉の売買の積極性を見極めることがでいます。

まず、取引の開始から手仕舞いまでの流れを回転と言います。信用取引で言えば、新規建てから返済までが1回転になりますが、この1回転にかかった日数がどのくらいなのかを表したものを「回転日数」と呼びます。回転日数は貸借残のデータを使って計算され、計算式は下記の通りです。

回転日数= ①{(貸株残+融資残)×2} ÷ ②{新規・返済の貸株と融資の合計}

②の部分が信用取引の回転にあたります(新規建てと返済の合計)。この②を、①の建玉残高と比べてどのくらいの大きさ(日数)なのかをこの計算式は示しています。つまり、②が大きくなるほど信用取引が活発化していることを意味し、それに伴って計算結果の日数は小さくなります。逆に、計算結果の数値が大きい、つまり1回転の日数が長ければ、売買はあまり活発ではないことになります。

回転日数はあくまでも大まかな計算ですので、絶対的な投資判断ができるわけではありません。

しかし、信用取引の勢いが強いか、弱いかをみるにはいい指標になります。例えば、10日前後で相場が活況、5日よりも短くなると過熱感が強く、相場の天井や底が近いのではという見方が一般的です。

■回転日数が長い(目安として10日以上)
取引が閑散であることを意味し、建玉が含み損を抱えている、いわゆる「しこり玉」が多いのではと見ることができます。そして今後、相場が反転するような場合でもその戻りが鈍くなりやすい傾向があるとされています。

■回転日数が短い(目安として5日以内)
取引が活発であることを意味し、建玉が積極的に売買されている「値動きが大きい」状況といえます。大きな資金が動けば短時間で株価が乱降下する場合もありますので、注意が必要です。

このように、回転日数は相場の活況度合いや、しこり玉の多さを知る指標として用いられます。さらに、回転日数の変化を継続的に観察することで、相対的に取引が短期化しているとか、長期化しているといった具合に、投資行動の傾向を把握する参考になります。