20代のビジネスマンにも共感できるが、個人的には30代中盤で経験豊富で最後の転職があと1、2回か最後になるだろうと考えて入るビジネスパーソンにはグサリとくる内容だろう。

自分自身が30代半ばであることもあり、再就職を検討するいい年齢になってきた。

もちろん今の職場には満足しているし、仕事仲間も年収も悪くはない。だが、今の会社でずっと業務をしていたらと思うと、少しも不安がないというのは嘘になるだろう。まあどの会社にいってもそうだろうけどね。

ただ、この本を読んで思うのが、どの道を歩く選択をしたとしても、変化に対応できない人材はいずれ賞味期限がきてしまうということ。AI導入によって、未来の仕事のあり方がどのように変わって、どのぐらいのスピードで変化していくかは想像できない。

だからこそ、「あなた」にしかできない仕事、スキルを身につけないと生き残れないというわけだ。

その点で言うと、まず「効率化できない仕事」を選ぶことがマスト。ビッグデータを使った仕事や、正確性、代替可能なルーチン作業などの業務は今後AIに置き換わってく。情報量が大きくなればなるほど、人間が処理するより機会が処理したほうが効率的なのは当然だ。

しかし、人間にしかできない「非効率な業務」は残り続けるだろう。例えば新規商品開発の企画であったり、コミュニケーションを必要とするコンサルティングなどの業務もそうだ。とりわけ士業と言われる分野は、よりコンサルティング色の強い仕事になっていくことは間違いない。スーパーのレジ打ちとか単純作業は近い将来確実にロゴットに置き換えられるだろう。

これからも活躍できる価値あるビジネスパーソンであり続けるために、必要なポジショニング戦略、マインドをこの書籍から学ぶことができる。

特に転職を検討して入る人でなくても、現職での社内人材価値を上げるという視点では十分ためになる。

これからの自分のキャリア、スキル、年収アップや仕事のやりがいを高めていきたいという向上心の高いビジネスマンは必読。