ファンダメンタルズでは、「株価が割安なので、絶好の買い時です」といった声をよう聞く。しかし、株価が割安だからといって、後で必ず株価が上昇するという保証はどこにもないということを肝に命じておかなければならない。 テクニカルで見た際も、移動平均線を大きく離脱して下落していると「そろそろ買い戻しが入るだろう」という思惑で逆張りの買いを入れても下落が止まらずに長期的な下落トレンドを形成することだってある。PERだのPBRだの数値上での割安感は数字の計算さえしてしまえば割安、割高といったことは安易に言える。しかし、業績とは裏腹に動くのが株価。結局上げ下げを決めるのは買い手と売り手の需要と共有の差で動いているだけのこと。なので生半可なファンダメンタル分析や理論上の割安感などは毒にも薬にもならないことが多い。

 日本株でトレードするのなら、値動きの大半の要因は海外の機関投資家であることは周知の事実。故に、個人がなんのニュースがでたからとかそんな情報は影響度は低いわけで、海外勢が買ってきてるか、売ってきてるかってポイントだけ見てればいい程度だと考えている。出来高、売買代金のでかい銘柄は特に言えるが、個人投資家の資金が多少入ったところでびくともしない。ロットがでかい個人ならともかく、TOPIXの主力株はそのほとんどが海外機関投資家の資金が流れ込んで動いてると思っていい。

 資金の少ない個人トレーダーが利益を出して生き残っていくには、値動きについていくことに集中すること。これにつきる。とにかく目の前の値動きを観察してその銘柄特有の癖になれること。1日で平均いくら動くのかわからないような銘柄で勝負したところでうまくいくはずはない。銘柄を絞って、癖を掴む。そして、レンジ相場での一時的な急騰、急落の戻りを狙った逆張りロジックを何度も練習する、といった一例ではあるけれど地道な鍛錬が最終的には月の収支の投資結果を左右することは間違いない。