円か絡む通貨ペアと絡まないペア

FXでは、例えばドルと円の取引の場合は「ドルノ円」、ユー囗と円の取引の場合は「ユーロ/円」のように、取引される通貨同士の名前をとって表記している。

この通貨ペアの種類は、FX業者によって異なり、10種類程度の業者が多いが、なかには1‐00種類以上扱っている業者もある。

ところでドルノ円、ユー囗/円など円か絡んでいる通貨ペア(ドル/円以外の組み合わせはクロス円と呼ぶ)は理解できるが、「ユー囗/ドル」「ポンド/ドル」などの通貨ペアでは、円か絡んでいないため、日本円では取引ができないのではと思うかもしれない。

しかし、実際には、日本円をFX口座に入金しておくだけで、そのFX会社で扱っている通貨ペアは、円絡みでなくともすべて取引ができる。

もちろん利益が出た場合も損失が出た場合も、日本円に換算して精算される。

通貨の金利差「スワップポイント」

スワップポイントとは、取引する通貨ペアの2つの通貨国の政策金利差によって
生じる損益のことを指す。

例えば、現在の日本の政策金利はO~O・1%となっており、世界的に見ると
超低金利だ。
一方、豪州やNZは2・5%、南アフリカは5・O%という高金利となっている。

したがって、例えば豪ドル/円の場合、オーストラリアと日本の2国間の政策金利差は2・4~2・5%となり、豪ドル/円を買うことによって、スワップポイントを受け取ることができるのだ。

つまり、通貨ペアの2つの通貨のうち、政策金利の高いほうの国の通貨を買えば(これは同時に金利の低いほうの国の通貨を売ることになる)、金利差から計算された1日単位での差額(スワップポイント)が手に入ることになる。

それに対して、金利の低いほうの国の通貨を買った場合(これは同時に金利の高
いほうの国の通貨を売ることになる)、スワップポイントを払い続けることになる。豪ドルノ円を買った時はスワップがもらえるが、逆に豪ドル/円を売ると、
毎日スワップポイントを支払うことになるので注意が必要だ。

 ただし、スワップ金利はずっと同じということはない。各国の政策金利は変化するからだ。

今から5年ほど前は、日本の政策金利は〇・5%だったが、豪州やNZは5%を超え、南アにいたっては10%を超えていた。

 つまり、この5年間で日本と豪州などとの政策金利差が大幅に縮小し、それに
ともない受け取れるスワップポイントが目減りしてきたわけだ。

また、スワップポイントはFX業者によっても微妙に異なる。定期的に取引業
者のホームページなどで確認するようにしよう。

スワップポイント狙いの注意点

FXでは、豪ドル/円やNZ/円、南アこフンドノ円などの、高金利通貨の買いポジションを保有している間、スワップポイントを受け取り続けることができる。

持っているだけで毎日スワップポイントを受け取れるのは魅力的で、実際、スワップポイントを狙って投資する人も多いようだ。

しかし、初心者がスワップポイントを狙った投資をすると、たびたび痛い目に
遭うので注意が必要だ。

高金利通貨は一般的に、値動きが激しいという特徴がある。だから、例えば豪ドル/円の買いポジションを保有しているときに、超円高になると困った事態になる。毎日スワップポイントが受け取れても、大きな為替差損を出してしまうリスクがあるのだ。

スワップポイントはオマケ程度に考えて、あくまで為替差益を得ることを優先した方がいいだろう。