中長期の取引をメインとする場合、チャートや板よりも業績や事業内容が重要です。

経営方針や受注内容なども確認して、その企業の今後を予想します。

経営方針が実行されたかが大事

中長期のトレーダーは、チャートや板の様子よりも、その会社の業績や事業内容などを重視する傾向が強いです。

ファンダメンタルズを重視する投資家は「決算書」だけでなく「会社説明資料」をよく見ます。

「会社説明資料」は一般的に、パワーポイントなどで作成され、ホームページの「IR資料室」コーナーなどにアップされていることが多いです。

大手企業のなかには、社長の説明動画をアップしているところもあります。

プロトレーダーは、当期の資料はもとより、過去数年分まで遡って資料を読み込むことがおおいです。

そして、過去に発表した「経営方針」がその後、実行されたかどうかを見るのです。

素晴らしい構想があり、社長が大きなことを言っても、実現しなかったら意味がありません。

口だけの会社かどうかは、過去の実績をみればだいたいわかります。

受注を見て今後の売り上げを予想

決算短信で売上や利益以外とくに注目する項目があります。

それは、造船業やシステム開発のように受注してから売上に計上されるまでに長い時間がかかる企業の「受注」の項目。

たとえば、現時点の売上高が少なくても、すでに注文を受けている「受注額」が多ければ今後の売上が伸びると予想できますよね。

将来的に売上が伸びると予想されるため、今後の株価上昇が期待できると考えるわけです。こうした見方で結婚式場に目を付けた友人がいます。

結婚式は申し込んでから、実際に式が行われるまでに数カ月の時間を要します。

つまり、受注(予約)がたくさん入っていれば、数カ月後の売上が伸びる可能性が大きくなるわけです。

2011年にアイ・ケイ・ケイ(2198)を買いました。同社は東北に式場を展開し、結婚式、披露宴の企画・運営をしている企業です。

2011年の震災直後は、東北地区では結婚式のキャンセルが相次いだため株価が下落しました。

ところが、震災をきっかけに変化が起こりました。

以前に増して家族の絆や家族の大切さが意識されたことでカップルが増加し、結婚式の受注が増えたのです。

売り上げの数値を見るだけでは、こうした兆候に気づくのは遅れてしまうが、「受注」の増加を決算書から見抜き、株価上昇前に仕込むことに成功しました。

展示会などのイベントに出展する企業を支援する博展(2173)も受注の多さをみて買って成功したというのです。

決算情報には、将来の株価を予測するためのヒントが隠れているものなのですね。