会社四季報を読めば企業の売上から借り入れまでたくさんの情報を仕入れることができます。ですから、もし不自然な点を見つけたら、納得するまで調べるクセをつけましょう。

たまにまだ注目されていないお宝銘柄を発見してしまうことも?!

会社四季報を熟読し、儲かる株情報を手に入れる

多くの投資家が『会社四季報』を愛読しています。私も3カ月に1度発行される『会社四季報』を発行直後に購入し、熟読しています。

ちなみに、『会社四季報』にはCD版と書籍版で好みが分かれます。

CD版はPCで簡単にスクリーニングができる利点があります。それゆえにスクリーニングでヒットした銘柄しか見えなくなることも。一見、従来の本をひとつひとつ目で見ていくことは非効率に感じるかもしれませんが、その分いろいろな情報が頭に入ってくるのです。

これまで投資対象としていなかった銘柄も見ることが勉強になるのですね。

不自然な点、気になる点はとことん追究する

四季報を使って、まずは売上や利益が上昇している銘柄を探していくのが基本です。

できれば、売上が2倍になったら利益が3倍になっているような銘柄を購入候補としてチェックしていきます。

有利子負債(借金)の金額や資本との割合、PER・PBRもみていきましょう。

そのうえで、その銘柄ページの隅々まで読んで、不自然な点や不思議に思った点などを徹底的に調べるようにします。

たとえば、ある銘柄の業績をみて、有利子負債(=借金)が0で、自己資本比率が20%になっていたとします。

「有利子負債が0ならば、自己資本比率はもっと高くてもいいはずでは?」
と疑問を持ちます。

賃借対照表において、資産=負債+資本になります。

つまり、有利子負債がないのなら、資産に占める資本の割合が高くなるため、自己資本比率が高くなるはずです。

ここで、全国保証<7164>を例にみていきましょう。

全国保証<7164>は、独立系の信用保証最大手。住宅ローンの金融業などを営む企業。

賃借対照表を調べていくと、「前受収益」と「長期前受収益」というふたつの科目に不自然さを感じます。

全国保証は、住宅ローンを保証するのが主要業務です。

たとえば、30年ローンの保証料を預かったとすると、会計上、売上(前受収益)として計上されるのはその年の保証料だけで、残りの29年分は固定負債の長期前受収益に計上されることがわかりました。その結果、会計上、負債が膨らんでしまい、自己資本比率が減少していたのです。

しかし見方を変えれば、長期前受収益から数十年先の売上が読めることになりますよね?

住宅ローンは一度組んだら、10年以上〜35年と長く利用されるものです。

2012年12月のIPO直後は、それほど注目されていない銘柄でPERも6倍程度。

一旦落ち着いた株価の推移を見せていますが、業績が上昇している今はさらに値上がりしそうな気配も。

四季報で気になったところはどんどん調べて情報収集すると、いろんな知識や投資に使える情報や経験が身に付きます。

辞書を引く感覚で四季報をさらに深く読み込んでみましょう。